想像のじかん

あとちょっとだけ想像力をはたらかせると、もっとすてきなセカイになる。かも。

美しさの裏にあるもの。

もうすぐ、夏がやってきますねー

空気暑くてジメジメなのは苦手ですが、セミの抜け殻と蓮の季節が到来すると思えば

少しは楽しみになるってものです。

 

そんなジメジメな中、表参道にある、

エスパス ルイ・ヴィトン東京というギャラリーへ行ってきました。

高層階ならではの景観も楽しめそうな、

とても素敵な雰囲気のギャラリーです。

 

今回は、現在開催中のヤン・ファーブルの展覧会

「Tribute to Hieronymus Bosch in Congo (2011-2013)」を観に行ってきました。

 

作品はこちらからご覧になれます。

TRIBUTE TO HIERONYMUS BOSCH | Espace Louis Vuitton Tokyo

 

スカラベ(ブラジルタマムシ)の鞘翅(さやばね)を使った、

レリーフ状の作品や立体作品が展示されています。

スカラベの持つ独特の美しい色合いが、見事に活用されていました。

昆虫が苦手な方は、ちょっと抵抗があるかもしれませんが・・・

私自身はカントリーガール(いやもうガールじゃないが)なもので、

虫は全く抵抗もなく、むしろ喜んで摘みに行く方ですから、

これは是非とも観ておきたい展示のひとつでした。

昆虫の持つ、独特な形や質感、色味などはそのままでも美しいですし。

 

ただ、観る前から気になっていたこととして、

どうやってこの大量の鞘翅を用意したか。

作り上げた美しさと引き換えにあるものとして、

大量に使われたスカラベの存在が気になりました。

入手方法によっては、気楽に「美しい」とは口にしたくなかったからです。

 

ひと通り作品を観てから、ギャラリーの方にその質問をしたところ、

東南アジアではスカラベを食用とする地域があり、

食した後に残る鞘翅を集めて使用したのだ、ということでした。

実際、東南アジアでもその鞘翅を使ってアクセサリーにしていたりするそうです。

作品のためだけに捕獲していないことに、ちょっと安心しました。

いわゆる、アサリやシジミを食べた後に出る貝殻みたいなものですね。

 

そして、この作品のテーマとなる部分についてですが。

作者の母国であるベルギーが、過去にコンゴを植民地として支配していた悲しい闇を

スカラベという素材を使って表現しています。

スカラベの美しさで表す、過去の闇。

美しさ(華麗さ)の裏側にあるものを表現するには、最適な素材かもしれません。

 

なお、この作品テーマのせいか、

ヤン・ファーブルさんは自国での評価はあまり高くないそうで、

むしろ海外で評価されているというお話も伺いました。

日本は、どうでしょうか。

 

レリーフ状の作品は、ガラス付きの額装により自分が作品に映り込みます。

そして、立体作品は照明の演出により、壁や床に影を落とします。

そこにある作品だけではなくて、

有形無形に関わらず、その周りに存在するものがセットになって

その「作品」が完成となることを感じさせる展示でした。

オマエはどうなんだ、と問われている気がします。

 

ちなみに、ヤン・ファーブルさんは、

「ファーブル昆虫記」のファーブルさんのひ孫なんだそうです。

納得。

 

展示は、9月23日まで。

是非、足を運んで欲しい空間です。